飲食店の正しい電話対応とは?基本の電話マナーを解説!
飲食店であれば避けて通れない電話対応ですが、正しい言葉遣いやマナーについて知らない人も多いのではないでしょうか。正しい電話対応ができていないと、お客様に不快感を与えてしまう可能性もあります。この記事では電話対応におけるマナーや間違っている表現などをまとめましたので、今後の電話対応の改善に役立ててください。
Contents
電話対応の基本
電話対応は、そのお店の印象を左右します。そのため、電話対応をおろそかにしているとお客様を不快にさせることも考えられます。そのような事態を避けるためにも、まずは電話対応の基本からみていきましょう。
電話を受ける場合
飲食店ではお客様から電話がかかってくることがあります。基本的な電話を受けるうえでのマナーを記載しましたので、参考にしてください。
3コール以内にとる
かかってきた電話は、なるべく早くとりましょう。目安は3コール以内と言われています。3コール以上待たせてしまった場合は「大変お待たせしました、○○でございます」と先にお詫びの言葉を伝えましょう。
明るい声でゆっくりと話す
明るく、ゆっくりと話しましょう。電話では表情が見えず、声だけが頼りですので、相手が聞き取りやすいように話すことが大切です。忙しい中で電話を取る場合、店名や自分の名前が早口になってしまうことがあるので、よりゆっくり話すことを意識しましょう。
メモをとって復習
名前や連絡先、来店時間や人数、席の希望など聞き取った情報はメモしておくと良いでしょう。予約情報などを誤って認識しているとトラブルにも繋がりかねません。最後にはお客様から頂いた情報を復唱し、間違いがないか確認します。
電話の最後は丁寧に
電話を切る前に気を抜いてしまうと、それまでの印象が台無しになってしまいます。電話の御礼を伝え、お客様が先に電話を切ったことを確認してから、電話を切るようにしましょう。もし、なかなか切れない場合であれば、「失礼します」と一言添えてから、電話を切ります。
電話をかける場合
次は、電話をかける場合です。
仕事中や夜遅い時間は避ける
相手の時間に考慮した時間帯に電話しましょう。仕事で忙しい日中や早朝や深夜に電話をかけるのは迷惑であるため、避けた方が良いです。ベストな時間帯は19時から21時頃がベストと言われていますが、お店はその時間混んでいる場合も。スタッフ同士で連携する必要があります。
店名と名前を名乗る
電話をかけたら、店名と自分の名前を名乗りましょう。その後、「今お時間よろしいでしょうか」と聞いてから、要件を伝えます。
要件を簡潔に伝える
要件を伝える際、簡潔に話す必要があります。お客様の時間をいただいているのはもちろんのこと、お店が混んでいることが考えられますので、予めメモを用意して、それに沿って話すと良いでしょう。
ケース別の電話の受け方
次は様々なケースを想定した電話の受け方を説明します。かかってくる電話もパターンがあるため、マニュアルを用意しておくとスムーズに対応できます。ここでは、電話のパターンと電話を受けるうえで注意することをお伝えします。
予約・キャンセル
予約の場合には、日時、人数、代表者の名前や連絡先を聞くことが主な内容です。忘年会や誕生日等のコースの場合、コース内容も確認しておくことが必要。予約キャンセルの場合は、キャンセルの可否だけでなく、キャンセル料の支払いの説明をする場合もありますので、慎重に対応しましょう。
お店の場所
お店の場所が分からず、道に迷ってしまうお客様もいます。当日に道に迷ってしまった場合は焦ってしまうお客様も多いので、「分からなかった場合は、またご連絡ください」と一言添えると非常に親切です。
お問い合わせ
営業時間やメニュー、アレルギーや誕生日などのサプライズの相談など、様々な問い合わせが来ます。お問い合わせに関して、スタッフそれぞれが独自の対応をしてしまっては、当日のトラブルにも繋がりかねません。頂くお問い合わせに対して、全体で対応を決めておくと良いでしょう。
クレーム
お客様からのクレームの電話は誰しもが極力避けたいものです。ただ、対応する場合は「謝罪」と「感謝」の気持ちを伝えられるように誠意を持って対応することが大切です。まずクレームの内容を聞き、後で聞き直すことがないようにメモを取りながら「申し訳ございません」と謝罪しましょう。さらに「ご指摘いただき、ありがとうございます」と感謝すると、お客様の更なるイメージダウンを避けることができます。
営業の電話
商品を紹介したい、売りたいといった内容の営業の電話がかかってくることもあります。営業電話はすぐ断るようにしている店舗もあるかもしれませんが、一度内容を聞いてから判断すると良いでしょう。ちょうど困っていたことを解決できるかもしれません。
業者の電話
仕入れや備品の注文など、取引先から電話がかかってくることも。内容を把握し、担当者につなぎましょう。担当者が不在の場合はスタッフが詳細を聞き、担当者に伝えます。前もって、取引先リストや良くかかってくる連絡先をリスト化しておくと、スタッフも確認できるため便利です。
困ったときの対応
電話対応において、「なんて言っていいか分からない」という場面に出くわすこともあるでしょう。ここではそんな時に使える便利なフレーズについてまとめましたので活用してください。
相手の声が聞き取りづらい
受話器の向こうから聞こえない、または聞き取りにくい場合などは、いきなり電話を切ってはいけません。もしかしたら、相手にはこちらの声が聞こえているなんてことも。一言お断りしてから電話を切るようにしましょう。
相手の声が聞こえない場合
「申し訳ございません、お電話が少々遠いようでございますが」
「電波の状態が悪いため、申し訳ございませんが一度お電話を切らせて頂きます」
相手からもう一度かかってきた場合
「先ほどは、電話が切れてしまい、失礼いたしました」
「おかけ直し頂きまして申し訳ございません」
このように対応することで、お客様が悪いのではなく機械の不調であることを伝え、謝るなど丁寧に対応することで、機嫌を損ねることなく話をすることができます。
忙しくて電話を受ける余裕がない
お店のピーク帯には忙しく電話対応している時間がないということもあるでしょう。そんなときでも対応するためのフレーズを用意しましたので活用してください。
「申し訳ございません。少し立て込んでおりまして、満足のいく電話対応ができないため、後ほど折り返しの電話をさせてください」
忙しさを前面に出してしまうのはNGです。あくまでお客様第一であるということが伝わる文面にしましょう。
実は間違った表現
正しいと思って使っていた言葉が、失礼な言葉だった、という経験がある方は多いのではないでしょうか。ここでは、電話対応におけるよくある間違いを紹介していきます。
お休みを頂戴しております
電話のやり取りで店長や担当者が不在の際「○○はお休みを頂戴しています」というのは誤りです。上司から休みを「頂戴する」と謙るのは社内の場合です。ここでは「○○は休んでおります」となります。その事実を伝えた後は「よろしければ、折り返しお電話いたしましょうか」などの代案を添えると親切です。
お名前を頂戴できますか?
電話対応の際に、予約をする人の名前を知りたいとき、「お名前を頂戴できますか」という人もいるかと思いますが、これも誤りです。「お名前を頂戴する」と言うと、「あなたの名前をもらう」という意味になってしまいます。正しくは「お名前を伺ってもよろしいでしょうか」「お名前を教えていただけますか」となります。ここに「恐れ入りますが」や「差し支えなければ」と入れると印象が良くなるでしょう。
○○様でございますね
「○○様でございますね」の「ございます」というのは「ある」の丁寧語です。「ある」は物として扱う場合に使用するので、このフレーズも誤りです。正しくは、「○○様でいらっしゃいますね」となります。
まとめ
電話対応一つをとっても、丁寧な電話対応をするお店と雑な電話対応をしているお店では雲泥の差が生まれます。飲食店に電話したお客様が気持ち良いと感じてもらえれば、お店についても良い印象を持ってもらえ、顧客獲得につなげることができます。電話対応マニュアルを作るのも一つの方法かもしれません。店舗全体で電話対応の能力をあげていきましょう。