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飲食店の2店舗目を考える…その前に

この記事を書いた人日本みらい税理士法人(みらい総研グループ)

飲食店を創業する方の目標の中には「多店舗化」を描く方も当然いらっしゃるでしょう。今回はそんな「多店舗化」について解説していきます。2店舗目以降を考えるその前に…ぜひこの記事を読んでみてください。

多店舗化は売上拡大には有効

飲食店の売上向上の制約要因として「立地」が有ります。一部例外は有るものの、原則的に飲食店には商圏内の見込客数には限りがあります。多店舗化は更なる売上増加のために有効な手段です。

しかし、二店舗目の出店は飲食店にとっては言葉通り「身を切る」出来事となります。創業後順調に売上を伸ばしたものの二店舗目で失敗し倒産…または資金面で大きなダメージを受け事業規模縮小など二店舗目は正に命がけの経営判断と言えるかもしれません。立地の異なる場所での二店舗目の開業に掛かる労力は創業と同じです。違う点は経営者にとって開業は一度経験している事であるという点です。

多店舗化の落とし穴

しかし、そこに落とし穴が有り、労力は1店舗目と全く同じくらいと考えているとしたら「危険」な思考です。

店の立地が変われば商圏は変わり、準備する物事も変わってきます。当然ですが料理人も変わるため味も変わります。2店舗目を考えるときは、1店舗目の引継ぎではなく新たな創業と考えた方が分かり易いでしょう。

どこの店でも同じメニュー、同じ味、同じサービスを提供すると思われがちなチェーン店型の飲食店ですら接客方法や店舗レイアウト等は店舗周辺の特性に合わせ変えていく事が多いです。中にはメニューの構成すら変わる会社も有ります。

資金・人員共に未だ余力が十分に無い中で、創業店の売上を維持しながら、2店舗目でも利益を出せるようにするには、経営者が調理場・ホールに縛られていては実現できません。小さな組織においては、創業時の苦労と何に気を付けるべきかを一番理解しているのは、他ならぬ創業時の経営者なのです。

調理場・ホールから離れるときを決める

料理とサービスを自分の目の届く範囲で提供していきたいとお考えの場合は、続けられる限り「料理人兼経営者」で続けていくことが最良と思います。地域に愛され「いつもと同じ」を提供する飲食店を続けることは経営上・ライフプラン上の選択肢であり、店舗が長く続けばその地域にとっても宝になると思いますし、事業者にとっても幸せな事だと思います。

しかし、多店舗化や事業の拡大をお考えの場合はこの「調理場・ホールから離れるとき」を明確にしておかなければなりません。

1店舗目で成功すると経営者はどうしても2店舗目や3店舗目でも「同じ旨さ」と「同じサービス」を目指してしまいますが、セントラルキッチンにでもしない限り2店舗目、3店舗目の料理は1店舗目で提供したものとは別物になります。客層が異なる立地であればサービスも変わってきます。

飲食店の多店舗化を進めていく上で経営者に必要なのは、店舗と社員の数に合わせて組織を変えながら「旨さ」や「感動経験」を提供することです。

そうなると経営者自身が腕の良い料理人である必要は有りません。多店舗化に成功した経営者の多くは、2店舗目以降、3店舗目への移行期から現場を離れていきます。

これから飲食店の創業をお考えで多店舗化を事業プランに入れている方は現場からの卒業時期もプランに加えておいておくべきです。

みらい総研グループのご紹介

税理士・社会保険労務士・行政書士・事務代行・経理代行・人材紹介・求人・不動産・保険・相続問題・相続税問題など企業・個人のお客様のあらゆる問題を解決するグループ企業。飲食店のクライアントも多く、幅広い分野でサポートを行っている。
お客様の問題に多数の視点で対応し、「みらい創研に頼めば全て解決!」のワンストップサービスを提供している。

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この記事を書いた人日本みらい税理士法人(みらい総研グループ)

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